ALA(アミノレブリン酸)によるがん早期発見が特許化?

人は生きていくため、活動するためにエネルギーが必要ですが、エネルギーはミトコンドリアという細胞内器官が作っています。
このミトコンドリアの機能が低下している細胞は、正常なエネルギー代謝を行うことができませんのでエネルギーをつくるALAを上手に活用できなくなります。

ALAとは?
ALAはミトコンドリアで作られる5
アミノレブリン酸というアミノ酸のことを言います。エネルギーを作ることに関係するヘムやシトクロムというたんぱく質の原料となる物質で、加齢によって生産性は低下していきます。植物の葉緑体の原料としても知られている物質です。

がん細胞があるとポルフィリンが尿中に含まれるようになる?
正常でない細胞の中にがん細胞がありますが、このがん細胞はミトコンドリアの働きが弱くなるためALAを上手く使うことができず、ポルフィリンという代謝産物を増やします。
ポルフィリンが増えていくと、血液中に流れ込んで肝臓を通過し、尿中に多く排泄されていくようになります。

ポルフェリンの性質を利用したがん細胞の発見も可能?
そのためがんを患う人にALAを投与した場合、がん細胞はポルフェリンを増やすことになりますが、このポルフェリンは特殊な光をあてた場合に光るという性質を持っています。
例えば脳腫瘍や膀胱がんの手術を行う前に、このALAを患者さんに投与するとがん細胞を可視化することが可能となり、手術での取り残しを回避することが期待できます。
仮にがんのない正常な細胞ばかりの人にALAを投与しても、代謝されるので体内に残りません。

がんリスクを評価する最新方法として注目
ALAを飲んだ後で尿検査をした場合に、ポルフェリンが混ざっていれば体内のどこかにがん細胞があることが確認できるということになります。
ALAは尿検査だけでがんの可能性を予測するという新しい技術だと言えます。がんリスクを評価する新たな方法として注目されています。

ALAによるがんの早期発見が特許に?
2017年1月に、ALAを用いたがんリスク評価共同研究成果報告が、プリベントメディカル株式会社とその子会社プリベントサイエンス株式会社から発表されています。
その内容なSBIファーマ株式会社との共同研究成果についてで、ALAを摂取した人の尿中に含まれるポルフィリンの量の統計解析方法が、がんのリスク評価の一助になることを示唆していると言えるでしょう。
SBIファーマ株式会社は、このALA摂取後の尿中のポルフィリンを測定することによって、がんの早期発見が可能であることを見いだして特許取得に至っています。

今後の研究にさらなる期待がされる
がん医療の領域でALAは注目されていますが、既に海外ではがん治療に利用されている国もあるほどです。
日本では脳腫瘍の手術にがん部位を確認するといった臨床応用の機会も増えているようです。
今後も医療に応用されることが期待され、日本人の死因の第1位であるがんの早期発見・早期治療に役立てることが期待されます。

関連記事

ページ上部へ戻る