アミノレブリン酸が癌治療に高い効果が期待できる?

アミノ酸は人が生命活動を維持していく上で欠かすことのできない物質です。
アミノ酸には様々な種類がありその働きも多岐にわたりますが、その中で特別な役割を果たすアミノ酸に、「5-アミノレブリン酸(ALA)」があります。
ALAは呼吸を通じてエネルギーを作り出すアミノ酸で、治療にも効果が見込めると考えられ注目されています。がんなどにも良い影響があるのでしょうか。

ALAとはどのような特徴がある?
ALAは体内でエネルギーを作り出す際に必要なアミノ酸です。人の細胞の中のミトコンドリアは、グルコース(ブドウ糖)を原料にエネルギーを作り出します。
ALAはミトコンドリアの中でヘムという物質を作り出しますが、ヘムが十分にあることが多くのエネルギーを作ることに繋がります。
そのためミトコンドリア内にALAが多く含まれていれば、ヘムを多く作り出すことができるのでエネルギーを多く得ることができます。

ALAが注目されるようになった理由とは?
これまではALAを取り出すことは難しく、化学的な合成で製造するしかなかったので費用も多くかかっていました。
しかし発酵法で製造する方法が発見されたことにより、費用を抑えながら大量に製造することが可能になりました。
そのため医療や健康分野でALAを使った研究が進むようになり、がん治療に活かす方法はないかなどが注目されています。

ALAががんにどのような効果を示す?
ALA自体ががんに働きかけるのではなく、温熱療法といってがんの治療効果を高める可能性が研究で示されている状況です。
正常な細胞よりも熱に弱いがん細胞の性質を活かし、がんが存在する部分へマイクロ波やラジオ波を使って温めるという治療法が温熱療法です。
放射線療法や化学療法よりも副作用が軽減できるため、注目されている治療法と言えるでしょう。

ALAによるがん細胞への影響
ALAはミトコンドリア内でヘムを作り出しますが、がん化した細胞内ではこの働きが正常に行われません。ヘムではなく別の物質が作り出されてしまいます。
この別の物質はがん細胞にとって非常に大きなダメージになるため、ALAを加えることによりがん細胞内に別の物質が多く作られ、温熱療法の効果を高めることが期待できると考えられるでしょう。

今後のALAへの研究が期待されるところ
まだALAは研究段階なのですが、今後さらに研究が進むことが期待されます。
さらに身体への負担を軽減できる治療法の開発なども含めて、どのようながんに効果があらわれやすく、温熱療法以外で効果を発揮する方法はないかなど研究に期待されることは多くあります。
がんへの治療として本格的に用いられることになることなど、今後の研究に期待していきたいところです。

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