5-アミノレブリン酸で癌を早期発見することは可能?

以前は不治の病のような扱いだった癌ですが、今では早期発見で治るとも言われています。しかし発見が遅れると死亡率も高くなるため、完治させるには早期発見は欠かせません。
毎年健康診断を受診しているから安心と考えている人も多いようですが、レントゲン検査などで癌が発見される段階では癌が進行しているケースもあります。
このようなことも踏まえて、癌のリスク評価に用いられる5-アミノレブリン酸(ALA)について知っておくと良いでしょう。

癌検診は面倒で費用もかかる
癌を確実に早期発見するためには、検診で色々な機器を使って時間をかけた多くの検査が必要になります。
さらにPET検査やCT検査などの癌検診でも癌が発見されないというケースもあり、費用を費やしたのに発見できなければ意味がないと受診することを止めてしまう人もいるかもしれません。
このような手間暇かかる作業や費用をできるだけ軽減するためには、全ての癌に対して精度高く発見できる腫瘍マーカーが発見されることが期待されます。

ALAによる癌リスクの評価が注目されている
5-アミノレブリン酸(ALA)は、動物や植物、全ての細胞に必要な天然のアミノ酸です。細胞においてのエネルギー産生、血液中の酸素運搬の役割を担う生体分子の構成など、いずれにも必要な成分であり生命の根元物質と言えるでしょう。
ALAは正常組織では生命を維持するために必要なヘムという生体分子の材料となりますが、癌細胞ではヘムを生成できずに中間代謝物が蓄積され尿中に多く排泄されるようになります。このALAの特徴を活かした癌のリスク評価が注目されています。

既に医療現場でも注目されている?
ALAは脳腫瘍の癌存在部位の特定にも臨床応用されている物質です。癌患者にALAを投与した場合、癌細胞がポルフェリンという物質に変化しますが、ポルフェリンは特殊な光を照射することで光る性質があります。
この性質を利用して、脳腫瘍や膀胱癌の手術に置いて癌細胞を可視化することが可能となり、手術での取り残しを防ぐということに活用されています。
さらに尿中に排出されるポルフェリンも、癌のリスクランクが高くなるに従って多くなる可能性があるとも考えられています。大腸、肺、婦人科系の癌の患者においても、健常者に比べて尿中のポルフェリンが多い報告があるようです。

いずれは癌リスク評価の一助になる物質として
尿検査をすることにより、癌細胞の有無を検査することを予測できるとも言えますので、面倒な検査を行わずにある程度の癌リスクについて確認することができます。
このような癌の発見や治療に対して活用され注目されている物質であると言え、癌のリスク評価の一助となることを示唆していると考えられるでしょう。

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