アミノレブリン酸を阻害!人の健康に悪影響を及ぼす鉛中毒とは?

アミノレブリン酸は「生命の根源物質」とも呼ばれ私達の細胞一つ一つを元気にしてくれる物で健康な体にはなくてはならないものです。
しかし鉛が体内に入ると、アミノレブリン酸及びALA合成酵素を阻害し、鉛中毒の重篤な血液症状が発現するといわれています。
特に腎臓系、神経系、生殖系、内分泌系、免疫系、造血系に影響を及ぼすことが分かっています。鉛中毒の症状や、どのようにして私たちの体内に入ってくるのかみていきましょう。

【鉛中毒とは】
鉛は食物にもごく微量が含まれており私たちは日常的に摂取していますが、自然由来の鉛には、急性の中毒症状を引き起こす量を摂取することは考えにくいと言われています。
中毒になる人の多くは、鉛に汚染された食品の摂取や、鉛含有の塗料片を経口摂取された場合、排せつが追い付かず体内に鉛が蓄積され鉛中毒になるのです。
鉛は、脳と肝臓に広く蓄積しほかの臓器や組織にも分布していきます。体内に入った鉛は、造血組織でアミノレブリン酸脱水酵素に結合して、貧血を起こすことが典型的です。小児の場合は少量でも知能指数の低下、神経障害の原因となる場合があり特に注意が必要です。

【各症状】
鉛中毒が軽度や初期の場合の症状としては下記のようなものが挙げられます。
・貧血による疲労感
・便秘、腹痛、腹部不快感
・食欲不振
・下痢
・頭痛
・めまい
・関節痛
・神経炎
・一般的な精神症状、精神神経症

急性中毒症状としては下記のようなものが挙げられます。
・仙痛
・筋力低下
・筋肉圧痛
・感覚異常
・神経障害、脳障害

【鉛の摂取ルート】
では鉛が私達の体内に入る摂取ルートについても見てみましょう。
・鉛含有の塗料片、道路標示塗料、鉄製橋梁や構造物の防錆塗料、住宅用壁塗料、陶磁器用絵具
・鉛金属片摂食や誤飲、ダイビング用おもり、釣り具用おもりなど
・水道管に鉛が使われていた場合の飲用
・汚染水、廃鉱からの漏出、廃棄された鉛蓄電池、家電製品や電気機器に使用されていたハンダからの溶出
・鉛金属微粉末や蒸気の吸入、鉛精錬工程、鉛合金の加工工場、ハンダ付け作業、有鉛ガソリン
このように日常に広く存在する鉛を体内に蓄積させないようにすることが大切です。

【まとめ】
鉛は私達の健康な体を維持するための、アミノレブリン酸を阻害する働きがあり体内に入ると重篤な症状を発症するケースも少なくありません。
特に小児の場合は、神経系、知能指数の低下などが見られ広く環境に存在しているため特に注意が必要です。

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