国家公務員の退職金の金額は?民間企業の平均相場と違う?

将来の老後の大切な資金の1つに退職金があります。しかし民間企業に勤務している人は、実際にどのくらいの退職金を受取ることができるかわからないという場合もあるでしょう。
公務員の退職金は高額だという認識が浸透していますが、国家公務員の退職金(退職手当)を参考にしてみると良いでしょう。

国家公務員とは?
国家公務員と呼ばれる人には、大臣や国会議員、裁判官や裁判所職員、防衛省職員、自衛隊員といった特別職、そして行政職や外交官、税務署職員といった一般職に分類されます。
平成28年度の国家公務員は約58万人で、そのうち特別職は約30万人、一般職が約29万人です。
国家公務員の退職手当については、独立行政法人の役員、国会議員、その秘書など以外の常時勤務やこれに準じる人が対象になっています。

国家公務員の退職金の計算方法
国家公務員の定年年齢は原則60歳で、検事総長、検察官、医師、守衛、用務員という職種によって61~65歳で定年を迎える場合もあります。
国家公務員の退職手当の金額は、「退職日の俸給月額×退職理由別・勤続年数別支給率+調整額」で計算されます。

・勤続年数別支給率
例えば定年を迎えたことが退職理由の場合は、支給率は次のようになっています。
勤続年数20年…25.55625
勤続年数25年…34.5825
勤続年数30年…42.4125
勤続年数35年以上…一律49.59

・調整額
調整額については総務省によると、在職期間中の貢献度を適格に反映し、民間企業のポイント制の考え方を人事管理や運用等に合わせた形で取り入れた職責ポイントに相当する制度となっているようです。

・民間企業のポイント制退職金
勤続年数、等級、役職などに応じてポイントを付与し、退職時に累積されたポイント数にポイント単価と退職事由別支給係数を乗じて退職金を算出するという方法で算出されます。

国家公務員の退職金の平均は?
内閣人事局が公表している平成27年度の退職手当の支給状況から見た場合、常勤職員の退職者は3
1,500人であるのに対し平均退職手当は1149.9万円となっており、定年退職したのは1
2,701人で平均退職手当は2181.3万円です。

民間の退職一時金は?
国は、民間企業と国家公務員の退職金の格差が約400万円だと判断して、平成25年から国家公務員の退職金を段階的に引き下げしています。その当時に想定された民間企業の退職金は、退職一時金1041.5万円、企業年金1506.3万円となっています。
しかし民間企業の場合、勤続35年以上の大卒者が定年後に受取る退職給付一時金の平均は1,567万円だったのに対し、同じく勤続35~39年の常勤職員である国家公務員が定年退職後に受取る平均退職手当は約2,400万円ですのでその差は歴然と言えるでしょう。

民間企業は退職金だけで老後の備えは厳しい?
2015年10月に年金改正が行われたことで共済年金と厚生年金は統一されました。それによって共済年金の職域加算が廃止となりましたが、かわりに年金払い退職給付が創設されています。年金受給額が少しずつ少なくなるものの、まだまだ公務員のほうが優位である状況は続くと考えられるでしょう。
民間企業で勤めている場合、退職金があるから老後の備えは大丈夫と安心できる状況ではありません。将来の資金の積み立てを、早い段階から始めることが必要だと言えるでしょう。

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