ミトコンドリア内のアミノレブリン酸シンターゼとは?

人には60兆と言われる細胞が存在し生命維持活動を行っています。その中でミトコンドリアは細胞の全てに存在している細胞小器官ですが、細胞が活動するためのエネルギーを生産する働きをしています。
ミトコンドリアの機能を維持するために大切や役割を担うのが「ALA(5-アミノレブリン酸・δ-アミノレブリン酸)」ですが、ALAから作られるプロトポルフィンが鉄と結合してヘムという物質を作ります。
ヘムはミトコンドリアがエネルギーを生産する上で必要な物質ですが、ALAがなければヘムも作られずエネルギーも効率的に作られなくなります。

アミノレブリン酸シンターゼとは?
まさに人の発電所と言われる存在がミトコンドリアです。その中でアミノレブリン酸シンターゼはミトコンドリア内に所在しており、ヘム合成の第1段階の反応と言えます。
ALAはポルフィリンを合成する上での最初の生成物ですが、このALAを形成するのがアミノレブリン酸シンターゼです。

ミトコンドリアが正常であることが健康に繋がる理由
食事で糖分を摂っても体内でスムーズに燃焼・代謝されることで血糖値が上がらないように調整されます。
しかし年齢を重ねると糖の燃焼や代謝する能力は低下しますので、糖尿病予備軍の人が増える傾向にあります。ALAはミトコンドリアの機能を高め、糖の代謝を促します。
糖が腸から吸収されると、血液に乗り全身の細胞内に取り込まれていきます。細胞内のミトコンドリアにより糖はエネルギーに変換されていきますので、糖代謝を促すためにはミトコンドリアの機能が正常であることが必要です。

ALAは既に市販されて活用されている
ALAは腫瘍細胞を光らせ、脳腫瘍の術中診断薬として市販されています。さらに膀胱がんや腹膜播種などへも活用を目指す治験が進んでいるようです。
ミトコンドリアの作用を高め、人や植物などを元気にすることが認められ、葉緑体の働きを高める肥料としてもALAは市販されています。
ALAの活用は、がん診断だけでなく光治療の研究も開始されるなど、細胞を元気にするために必要だと言えるでしょう。

がん治療にも大きな期待が寄せられる
ALAは正常細胞では鉄と結びつきヘムに変換されて代謝されますが、がん細胞では鉄と結びつかないためプロトプロフィリンのまま蓄積されます。ここに特定の光を照射すると蛍光を発するため、がんの切除やがん細胞のアポトーシス(細胞の自殺)を誘導するということが可能となります。

健康を維持するために必要なこと
ALA、アミノレブリン酸シンターゼ、ヘム、プロトプロフィリン、耳にしない物質ばかりですが、いずれもエネルギーを作るミトコンドリアと関係が深い物質ということになります。
ミトコンドリアの働きを正常に保つことが健康維持には必要です。そのためどのような物質があり、それらの物質がどのような働きをしているかなどを理解しておくと良いでしょう。

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